SATA Foundation 2009年度年次報告


I.寄付


2009年度、SATA Foundationは以下の寄付を実施しました。


(1)シェチェン診療所(ネパール カトマンズ・ボダナート)

これは診療所に対する継続的な資金援助の一環で行われたものです。 SATA Foundationは長年にわたり、ネパールの首都、カトマンズ近郊の人口密集地帯にあるシェチェン診療所への資金援助を行っています。診療所は患者の宗教、民族、政治的背景にかかわらず、難民や山岳民族を含む一大コミュニティに対し、質の高い医療を提供しています。医療サービスはコストスライド制で、経済状態の厳しい患者には、すべての医療行為および医薬品が無料で提供されます。診療所には月に3,500人を越す患者が受診します。診療所には、内科、薬局、分析ラボ、結核(D.O.T)クリニック、整形外科、産科、HIV感染者・AIDS患者とその家族のためのカウンセリング、ホメオパシー、チベット伝統医療、チベット伝統薬調合所、鍼療法、歯科、歯科ラボがあります。

(2)アジアにおける国際法整備(DILA)財団

SATA Foundationは引き続きアジアにおける国際法整備を推進するため、アジアの若い国際法研究者による特にすぐれた国際法に関する論文に対し、2005年から毎年、佐多賞(2,000米ドル)を授与しています。受賞論文はアジアにおける国際法整備(DILA)財団の援助により、Asian Yearbook of International Law (「アジア国際法年鑑」:Martinus Nijihoff Publishers刊 Liden/Boston)に掲載されます。Asian Yearbookは世界平和と国際的法秩序を支える国際法に関するアジアの視点を世界に発信するものです。佐多賞はこのように、SATA Foundationの設立理念に謳われている「あらゆる文化、宗教、信条をもつ人々の間における平和の価値と普遍的人権の尊重に対する理解」を促進する一助となっています。

2009年度佐多賞は、イランのアミン・ガンバリー・アミルハンデフ氏の論文「非国家主体に対する自衛行為に関する弁明の検討」に贈られました。

(3)l’Odysse´e de Lancelot及びAlexia Teufelへの寄付

www.odyssee-lancelot.org
http://alexia.association.over-blog.com

l’Odyssee de Lancelotは髄膜炎患者のために設立された慈善団体です。

Alexia Teufelは運動障害を抱える患者のための慈善団体です。両団体とも寄付の受益者はフランス在住者を対象としています。

(4)Banyan Home Foundationへの寄付

HIV/AIDSに罹患した子どもたちのためのBan Rom Sai Children’s Homeを運営するBanyan Home Foundation(BHF)は日本の名取美和さんによって設立されました。

SATA Foundationは2007年よりBHFに毎年寄付を行っています。 2009年、SATA FoundationはBHFより医療費をまかなう新しい基金の設立プロジェクトの支援の依頼を受けました。しかし、現在、Ban Rom SaiのHIV感染児童はOXFAMより無料の医薬品と健診の提供を無期限で受けているため、SATA FoundationはBHFに対し、現在、緊急かつ具体的な支援を必要とする別の提案を行うよう回答しました。その提案は2010年3月にSATA Foundationに提示され、承認を受けました。SATA Foundationは直ちにBHFに対し寄付を実行しました。

添:感謝状

II 長崎のマリア像と世界平和

2005年8月の長崎原爆60周年に長崎のマリア像が浦上天主堂に返還され、SATA Foundationのマリア像に関わる目的はほぼ達成されました。SATA Foundation は引き続き、長崎のマリア像を象徴とする世界平和キャンペーンを実施していきます。

2005年8月6日、SATA Foundationは広島(1945年8月6日)・長崎(同8月9日)の原爆投下60周年に際し、Foundationの人道的使命を推進することを目的として、フランスにおいて「平和祈念サイクルロードレース」及び関連事業を主催しました。第1回の大きな成功を受け平和祈念サイクルロードレースは毎年開催されています。

SATA Foundationは2009年8月1日、フランス・ブルゴーニュ地方シャイイにおいて第5回平和祈念サイクルロードレースを開催しました。ラリーにはベルナール・イノー氏をはじめ550名以上のサイクリストが参加し(2007年度453名、2008年536名)、100名以上の観衆やサポーターが集まりました。イベントでSATA Foundationに集まった資金の大部分は、フランスのl’Odysse´e de Lancelot及びAlexia Teufelの2団体に寄付されました。 このイベントがきっかけとなり世界各国で平和を祈念する自転車レースが行われています。日本においては、2009年、第3回明治神宮外苑学生自転車クリテリウム大会が行われ、SATA財団はスポンサーに対し寄付を行っています。

Kriangsak Kittichaisaree教授
専務理事
SATA Foundation
2010年4月10日

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